鼠径ヘルニアとは、太ももの付け根にある鼠径管の出口から、腸管や他の腹部臓器の一部が腹膜ごと突出した状態のことをいい、鼠径部(恥骨の上)または陰嚢内に膨らみができます。大きさはそら豆大~小児の頭の大きさとさまざまです。この膨らみは、立っているときに大きくなり、横になっていると小さくなることが多いです。
男性に多くみられます。 ヘルニアが生じてきている部位に応じて、直接型ヘルニアと間接型ヘルニアの2種類に分けられ、出生時から存在している場合もあれば、後天的にできる場合もあります。ときに腸管の一部がはまりこみ戻らなくなることがあります(嵌頓)。この場合、腸管が壊死してしまう危険があるため、緊急で手術が必要です。
鼠径ヘルニアは手術をしないと治りません。薬を飲んだり、筋肉を鍛えるトレーニングをしたりしても膨らみがなくなることはありません。ただし膨らんでいても痛みがない場合や、膨らみ自体が気にならない場合などは、手術をせずに様子をみることも可能です(嵌頓しないように気を付けましょう)。 嵌頓したヘルニアの場合は、緊急手術が必要です。
いろいろな手術の種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
当院では、2.人工の補強材を用いる方法を行っています。基本的にはクーゲルパッチを用いたクーゲル法を行いますが、内服薬の状況(抗凝固剤など)やお身体の状態により、メッシュプラグ法を選択することもあります。
麻酔は下半身麻酔です。下半身だけの麻酔ですので、手術中の音が気になる方などは点滴で寝て頂くことも可能です。
クーゲルパッチ
(株式会社メディコン)
メッシュプラグ
(株式会社メディコン)
※分からないことや相談したいこと、手術のご希望などがございましたら、お気軽にお問合せください。